MYSCON8レポ

 昨年に引き続き、MYSCONに参加してきました。昼の部は3人の作家さんのインタビューで、ミステリチャンネル、HMMが取材に来ていました。

1、大森望氏による海堂尊インタビュー
 このようなインタビューを受けるのは初めてとのこと。ただし本職の関係で大勢の観客の前で喋ることには慣れているようで、受け答えは軽い冗談をまじえたものに。また、医療テーマということに対して非常に真摯に向き合っており、好印象でした。「事件は現場で起きてるんじゃない、会議室で起きてるんだ!」とのこと。執筆の最大瞬間風速が1日100ページという話に驚愕。

2、笹川吉晴氏による三津田信三インタビュー
 大阪弁での軽妙な口調。投稿をしていた大学時代から編集者時代・そしてデビュー後の話まで。各作品における微妙なつながり具合に話題が行き聴者に興味を持たせつつも、デビュー作・2作目は残念ながら絶版。自作品は本格ではなくホラー、本格に対する求めるハードルが高いとのこと。なお、『本格推理』に応募した作品は採用作・落選作にかかわらず採用される自身があったらしいです。

3、大森望氏による桜庭一樹インタビュー
 SF関係でのはインタビューは何度も受けているものの、ミステリでは初めて。インタビュアーも含めてさすがに慣れていたのかリラックスした雰囲気で進められていました。『赤朽葉家の伝説』第2部における毛毬の中部地方制覇の話は具体的に書かれていたものの没になったとのこと。その内容は、「この世界では大人になると独特のにおいを発するようになるらしい」「ラスボスは紙ヒコーキを武器にして戦う」「実は大人になっていたのだが、それを隠して戦う毛毬、ラスボスを倒したあとは大人であることをカミングアウト→引退、ラストはバイクに乗らず去っていく。「パラリラパラリラ」と口ずさみながら……」等々。聞いてるだけでもあまりに面白いのでこれはぜひ発表すべきだと思います。



 続いて夜の部。今回は全体企画がないので開会宣言のあとはフリートーク→個別企画という流れ。読書会(テーマは笠井潔『探偵小説論』3部作)やオークションなどといった恒例の企画の他に、トーク部屋を設けて各自テーマ(例えば初心者向けガイドなど)を決めつつ語れるようになってました。私個人としてはしょっぱなから鯨飲した挙句、ほとんど喫煙部屋で過ごしてしまいほとんどの企画には参加できず、かろうじて「ミステリ・ザ・チーター」を見学したくらい。したがってMYSCONというイベントに興味があってここまで見に来てくださった方にはまことに申し訳ないのですが、ここで語れることはほとんどございません。ただし、たくさんのミステリ者と夜通し語る*1というのはめったに経験できることではなく、そのこと自体は貴重なことだと思います。非常に楽しい時間を過ごすことができました。お会いした方々ならびにスタッフの皆様、お疲れ様です。そして、ありがとうございました。

*1:実際話していた内容の大半はミステリネタではなかったのですが。