フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』

跳躍者の時空 (奇想コレクション)

跳躍者の時空 (奇想コレクション)

 2010年1月購入。半年の放置。短編10編を収録。表題作は厨二ダマシイの持ち主の胸を熱くさせるカッチョイイものであるが、飼い猫が飼い主とその家族、周辺環境を観察する話だ。この、猫視点の仰々しさたっぷりの語り口で繰り広げられる<ガミッチ>シリーズが本書の半分にあたる五編を占めている。残り半分は編者あとがきによると自伝的要素の強い作品群であるらしい。あいにくと作者に対する予備知識が殆ど無かったので、そのあたりを意識して読み進められなかった。とはいえいずれも怪奇幻想指向の強い作品で、味わい深い作品ばかりであった。