古川日出男『13』

13 (角川文庫)

13 (角川文庫)

 左目のみが色弱である代わりに高い知能指数と驚異的な色彩感覚を持ちえた少年が、ザイールの森での神秘的な体験を経て、大人になったのちに神を映像に収めることに成功する、という話。話の本筋に登場するのが色彩や神といった非文章的概念であるので、それを文章化して表現するためには作者の持ちうる限りの言語能力が問われる作品である。