歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』
葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/03/28
- メディア: 単行本
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トリックのインパクトが有名で、それゆえ未読時点でネタバレ被害にあうことの多い作品である。かくいう私もメイントリックを知ってしまった状態で読み始めた。したがって肝心の部分で驚愕することすこぶる薄かった。にもかかわらず、十分に楽しめた。その仕掛けを成立させるために施された技巧や、単にトリック成立のみを目的にしてストーリーを犠牲にするといったこともなく、波乱万丈のプロットが用意されていたりと、物語としての根幹が非常にしっかりしていたからだ。「本格ミステリ大賞」はともかく「このミス」や「文春ミステリ」にまで評価されたのもうなずける作品だ。「トリック知ってるから全然面白くねーよwww」という人は推理小説を読まないでパズルゲームを楽しんでやがればいいと思います。