栗本薫『グイン・サーガ125 ヤーンの選択』

ヤーンの選択―グイン・サーガ〈125〉 (ハヤカワ文庫JA)

ヤーンの選択―グイン・サーガ〈125〉 (ハヤカワ文庫JA)

 2009年2月購入。2ヶ月の放置。ミロク教の聖地ヤガを目指すヨナ一行のパートが本書のメインで、前巻同様、これまでのサブキャラクター的扱いだったヨナと久々登場のスカールにスポットが当てられている。性格的に共通するところの少ない二人のやり取りは対比的でなかなか面白い。そしてタイトルとなっている「ヤーンの選択」にあたる部分は後半に。カメロンがイシュトヴァーンに対して抱く葛藤を描いたものだ。今後の展開を左右する場面であり、作品上非常に重要である。公務と私情を秤にかけたカメロンの心情を見所としているのだろうが、一国を背負って立つ偉大な存在であってはずのカメロンが、どうにも小人物に見えて仕方ない。