浦賀和宏『さよなら純菜そして、不死の怪物』

 2006年11月購入。2年5ヶ月の放置。ガノタで超絶ブサメンのいじめられっ子で、謎の外人に命を狙われている八木剛士。悲惨な高校生活を送る彼の唯一の慰めは松浦純菜の存在だった。自分には不釣合いの美少女に好意を抱かれ、ついに結ばれる寸前、思わぬアクシデントで純菜は彼の前から去っていく――八木剛士の人生における唯一のプラスの要素は失われ、しかし多くの不の要素は今なお存在し続ける。このような状態の中で八木の忍耐がついに決壊し、悲劇を呼ぶ。ということで、ひたすら陰鬱な展開。かすかに差す明るい光である友人たちの存在が、あっさりと彼の心の闇にかき消されていく様が辛い。