米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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以上五編、上流階級に属する者たち、そしてその使用人の間で起きた出来事・事件、作中に「バベルの会」と呼ばれる読書サークルが登場する、といった軽い縛りを用いている。過去作品に同種の背景をもった登場人物を好んで用いてきた作者であるだけに、田舎の旧家・名家の雰囲気、お嬢様とその使用人たちの描写は堂に入っており秀逸だ。作者のファンであれば「須和名嬢も学生時代はバベルの会に在籍していたのかも」とか「俺の嫁えるタソも進学したらバベルの会にry」などと妄想することも可能だ。
なお、帯の惹句では「最後の一撃」ものであることを強調し、売りにしているようだが、この惹句を鵜呑みにすると肩透かしを食らうことになる。とはいえオチの捻りはバッチリ効いているので普通に読めば十分に楽しめるであろう。