桜庭一樹『書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

 2008年10月購入。1ヶ月の放置。膨大な読書量と古今東西を問わぬ広範なジャンルのチョイスで、前作同様本読みの興味を強くひきつける。作者のファンであるならば、登場する本のみならず、直木賞受賞前後の様子も伺えるので、いっそう楽しむことが出来るであろう。
 それ以外に本書で目を引くのは食事の描写と、日記の締めに就寝を用いるケース、この二つが多いことだ。食べることと寝ることといえば人間にとって欠くあたわざることであることは言うまでもない。これらが「読書」日記において頻繁に登場するということは、作者にとっての「本を読む」という行為がすなわちそれらと同等の意味を有する、生きていく上で必要なものであることを主張しているように思える。本書を読んでいると実際、大げさでなく常に読書をしている姿思い浮かぶ。