桜庭一樹『桜庭一樹〜物語る少女と野獣〜』

桜庭一樹  ~物語る少女と野獣~

桜庭一樹 ~物語る少女と野獣~

 単行本未収録作品や新作、作品解説、直木賞ドキュメント、そしてファン大歓喜の幻の作品「ブルマー三部作」などが収録されている作家・桜庭一樹の解説本。100の質問では道尾秀介がオサレすぎる質問をしているのが印象に残る。
 だが、本書の最大の読みどころはインタビューだ。作家のひととなりや作品のうわべを撫でただけの当たり障りのない質問とは対極にあるような、桜庭一樹という作家の本質をえぐる鋭い質問、そしてその回答から導き出される深い洞察。インタビュアーは只者ではないと思っていたら、なんと直木賞作家としては先輩に当たる重松清だった。個人的に重松清は未読作家ではあるが、このインタビューのおかげで俄然興味がわいてきた。