柄刀一『レイニー・レイニー・ブルー』
- 作者: 柄刀一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/05/20
- メディア: 新書
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
病院で起きた自殺騒動と死体の消失「人の降る確率」、放火現場に残る他殺死体をめぐるアリバイ崩し「炎の行方」、神社の奉納舞のさなかに起きた毒殺事件「仮面人称」、マンションの一室で起きた密室殺人「密室の中のジョセフィーヌ」、一年前の転落死騒動の真相「百匹めの猿」、奇妙な書置きを残して失踪した外国人「レイニー・レイニー・ブルー」、老人の不注意によるガス漏れで起きたと思われた火事の裏に潜む真相「コクピット症候群」。いずれも魅力的な謎が設定され、かつ丁寧な推理展開による解決が用意されており、熱心な本格ミステリ読みを満足させられる水準にある。上記の理由で本格読み以外には辛い作品でもあるのだが。