折原一『倒錯の死角 201号室の女』
- 作者: 折原一
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1994/10
- メディア: 文庫
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折原作品ということ、さらに視点の移り変わり、あるいは途中で日記形式での進行が行われる、などである程度どういった趣のものか予想は可能で、ラストでの驚愕を如何に得るか、ということのみに価値観を求める読者にはそもそも向かない作品といえる*1。しかし、そこに至るまでの過程で描かれる緊迫感などは普通のサスペンス作品と読むことも可能で、屈折した読者でなければそのあたりも十分に楽しめるであろう。
*1:これは本書、あるいは折原作品に限ったことではない。ある種の偏向した読み手にとってまことに生きにくい時代だ。