2007年10月購入。4ヶ月の放置。芸術棟と呼ばれる、文科系のクラブを一所に集めた建物に出没すると噂される幽霊の存在を明らかにせんと行動する高校生たちの話。ミステリ的にはこの幽霊騒ぎが中心に据えられているのだが、主人公の葉山君の周囲に女性陣を多数配置し、物語に彩りを添えることにより、若い世代の読み手に受けのよい
ラノベ風味の青春ミステリの体裁をとっているのが特徴か。しかし、この分野の先駆にして最大の成功者と言える
米澤穂信と比べると青春のほろ苦さという点では明らかに薄味であり、純粋にミステリ面に注目してみてもどうにも淡白な印象だ。キャ
ラクタの訴求力も例えばやはり先駆者の
谷原秋桜子などと比べると乏しく、その方面からの読者にとっても手ごたえの薄い作品だ。何らかの
インパクトがほしいところ。