司馬遼太郎『司馬遼太郎対話選集5 日本文明のかたち』

 2006年7月購入。1年3ヶ月の放置。対談相手は3人と少なめで、ページの半分をドナルド・キーンとのものが占めている。まだ司馬作品に触れる前のキーンと司馬の初邂逅である「日本人と日本文化」ではいきなり「日本の合戦では必ずといっていいほど裏切り者が登場する」という興味深い話題が。そこから日本人の戦争観へと発展し、対談相手が外国人ということもあってか、日本に来た外国人――シーボルトやポンペ、アーネスト・サトウなどが語られる。この対談で互いによき理解者たることを察したのか、二人の交友は司馬の没するまで、四半世紀に及ぶこととなる。他の対談相手はアレックス・カー、山本七平