古龍『陸小鳳伝奇三 決戦前後』

決戦前後 陸小鳳伝奇シリーズ3

決戦前後 陸小鳳伝奇シリーズ3

 2006年11月購入。11ヶ月の放置。数々の魅力的な使い手が登場する本シリーズの世界にあって、最強設定されているのが陸小鳳の友人・西門吹雪である。その西門吹雪が決闘をすると言う噂が陸小鳳のもとに飛び込んできた。相手はその西門吹雪に並ぶ剣客として武林に名を轟かす男・白雲城主の葉孤城だ。江湖はどちらが勝つか賭けに熱中する。しかしそんな中、西門吹雪は姿を見せず、葉孤城は負傷したと言う噂が。西門吹雪はもちろん、葉孤城とも面識があり、いずれの友人であることを自認する陸小鳳はきな臭いものを感じて二人に会いに行くのだが……
 魅力的な剣客が数多登場する本シリーズにあって最強の使い手による頂上決戦が行われんとする今巻はかなりアツイ! 勝敗の興味もさることながら、怪しげな裏事情がありそうだと来る。ただでさえ吸引力の強い作品であるが、その中でも今巻は群を抜いて面白い。うごめく陰謀、男たちの友情が絡み合い、武侠小説のあり方のひとつの頂点を極めた作品といっても過言ではない。