復刊して欲しい本

 今月から講談社ノベルスで復刊セレクションなるものをやっている。興味深いラインナップが並び、所有していない本に対しては思わず食指が動く。新刊ラッシュの続く昨今の出版事情にあってこういった企画は非常にうれしい。しかし、面白いのに絶版、あるいは品切れ重版予定無しという本はまだたくさんある。そこで、パッと思いついた復刊して欲しい本をいくつか列挙してみる。amazon及びbk1で品切れとなっている本を対象とした。

六色金神殺人事件 (徳間文庫)

六色金神殺人事件 (徳間文庫)

 雪で閉ざされた村で起きる不可思議な殺人事件を描いた藤岡真のトンデモ系本格ミステリ

妖盗S79号 (文春文庫)

妖盗S79号 (文春文庫)

 ユーモア色の強い怪盗もの。一応これ1作だけあげておくが、泡坂妻夫の絶版本は全部復刊すべきです。

鴉 (幻冬舎文庫)

鴉 (幻冬舎文庫)

 意外にも本書も品切れ。旧習がはびこる村が舞台という、いかにも日本風本格ミステリだが味付けはやはり麻耶。

 講談社で『狂い壁狂い窓』が復刊されたが、こちらも名作。本格ミステリ的な論理性と幻想風味のバランスが取れた1冊。

聖母の部隊 (ハルキ文庫)

聖母の部隊 (ハルキ文庫)

 中国もので知られる酒見賢一が書いたかーちゃんSF。桜庭一樹の108冊にも選ばれている。

猿の証言 (新潮文庫)

猿の証言 (新潮文庫)

 科学とミステリのハイブリット作品を描く北川歩実の初期作品。この人はもっと評価されてよいと思う。

アルファベット荘事件 (白泉社My文庫)

アルファベット荘事件 (白泉社My文庫)

 ラノベレーベルから出版された北川猛邦作品。北川らしい大味な物理トリックあり。

神曲法廷 (講談社文庫)

神曲法廷 (講談社文庫)

 神こそが探偵! 山田正紀の野心作。

繭の夏 (創元推理文庫)

繭の夏 (創元推理文庫)

 寡作作家のデビュー作。スリーピングマーダーをテーマとしており、非常に鬱な読後感が得られる。

平妖伝 (下) (ちくま文庫)

平妖伝 (下) (ちくま文庫)

 『三国志演義』の作者が描く宋代を舞台とした伝奇歴史長編。主人公の一人は諸葛孔明の子孫。

叛旗 小説李自成〈上〉 (徳間文庫)

叛旗 小説李自成〈上〉 (徳間文庫)

叛旗 小説李自成〈下〉 (徳間文庫)

叛旗 小説李自成〈下〉 (徳間文庫)

 明を滅ぼした李自成を主人公にした大河歴史小説。この時代の人物、李自成や呉三桂などは刊行当事よりはメジャーになったと思われるのでいっそのこと未訳の続編込みで。

楚留香 蝙蝠伝奇〈上〉 (小学館文庫)

楚留香 蝙蝠伝奇〈上〉 (小学館文庫)

楚留香 蝙蝠伝奇〈中〉 (小学館文庫)

楚留香 蝙蝠伝奇〈中〉 (小学館文庫)

楚留香 蝙蝠伝奇〈下〉 (小学館文庫)

楚留香 蝙蝠伝奇〈下〉 (小学館文庫)

 武侠小説の雄、古龍の快作。荒唐無稽な作風が売りの著者はもっと評価されていいはず。

ドラキュラ紀元 (創元推理文庫)

ドラキュラ紀元 (創元推理文庫)

ドラキュラ戦記 (創元推理文庫)

ドラキュラ戦記 (創元推理文庫)

ドラキュラ崩御 (創元推理文庫)

ドラキュラ崩御 (創元推理文庫)

 ドラキュラに支配された世界が舞台。登場人物にはエドガー・アラン・ポーやらジェームズ・ボンドなど、架空実在問わず盛りだくさんで入り乱れている。

宇宙捜査艦「ギガンテス」 (徳間デュアル文庫)

宇宙捜査艦「ギガンテス」 (徳間デュアル文庫)

 ゲドババァ! とかいってネタにするのはせめて読んでからにしましょう。