谷川流『涼宮ハルヒの溜息』

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

 不勉強の身ゆえ、ようやく2冊目です。心底自分が楽しいと思った方向へと現実を変貌させるというハルヒの能力設定はハルヒ>現実世界という入れ子の力関係にあるといえる。本書では学園祭に向けて映画製作をするということで、さらにハルヒ>現実世界>映画世界という二重の入れ子を用いてコミカルな展開を繰り広げている。設定を巧く活かした展開である。