高田崇史『QED〜ventus〜 御霊将門』

QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)

QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)

 2006年10月購入。9ヶ月の放置。日本三大怨霊のひとり・平将門が本書のテーマ。ゆかりの神社を巡りつつ語られるタタルの解釈自体は非常に面白いものの、一小説作品としてみた場合、タタルや奈々といったレギュラーキャラクターは将門解釈を語る上での狂言回しに過ぎず、また、同時進行で起きる禮子がらみの事件は主人公たちとの関連は皆無といってよく、こちらもまたバランスを欠いている。キャラクターを中心に、あるいはミステリ的な事件を追って作品を読むものには不向きな出来になっている。