本格ミステリ大賞座談会簡易レポ

 一週間遅れのレポです。北村薫進行のもと、道尾秀介巽昌章両受賞者に綾辻行人法月綸太郎を加えてトークが展開されました。受賞作『シャドウ』ならびに『論理の蜘蛛の巣の中で』に関する話題、そして受賞者の人となりについてを中心に興味深い話を聞くことが出来ました。特に本格ミステリを語る上で避けて通れない「人間を書く」ことの道尾・巽両者の話が印象的でした。道尾いわく「本格というジャンルは人間を書く上で最強の武器になりうる」という発言には当ジャンルの今後の発展を考える上で非常に示唆的であったし、巽のいう「人間を書くという際に想定される「人間」というのがそもそも紋切り型に過ぎない」という批判に首肯させられました。
 意外にも(?)全員が喋り巧者で、活字媒体でのインタビューで聞いたことのある話でも楽しく聞くことが出来ました。また、巽の小説作品が発売される予定がある、というニュースに大変興味が沸きました。氏の小説作品は読んだことがありませんが評価は高いようだし、何よりも評論から感じられるすさまじいまでの切れ味が小説で発揮されるのかと思うと……期待しております。

 そういえば、隣席の女性が熱心にメモをとられていましたが、どこかのサイト管理人だったのでしょうか。ちょろっと話をしたのですが、そのあたりをうっかり聞きそびれてしまいました。