東川篤哉『学ばない探偵たちの学園』

学ばない探偵たちの学園 (ジョイ・ノベルス)

学ばない探偵たちの学園 (ジョイ・ノベルス)

 2004年1月購入。3年4ヶ月の放置。鯉ヶ窪学園に入学した赤坂通は手違いと成り行きで探偵部に入部してしまう。芸能部を持つこの学園は芸能人も多く、それゆえ外部から侵入するパパラッチも後を絶たない。そんなパパラッチのなのか、身元不明の男性死体が保健室で発見され、通たちは探偵部という特権(?)を活かし、事件の捜査に乗り出すのだが……
 この作者の最大の売りはユーモアとそこから生じる作品の軽さ、そしてその一見ミステリとは無関係なノリ的なものを全面に押し出しつつも本格ミステリ的結構を崩さすにきちんと着地して見せる点にある。本書もその売りにのっとって描かれているのだが、いかんせんバランスが悪く、ユーモア要素に謎とその解決が埋もれ、印象が薄くなってしまった。読んでるときは非常に楽しく、ミステリ部分もそれなりだったのだが、読後感があっさりししすぎている。