ロバート・ジョーダン『幻竜秘録』1〜5

 「時の車輪」シリーズ第10部。5冊まとめて。

幻竜秘録〈1〉エバウ・ダー脱出―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

幻竜秘録〈1〉エバウ・ダー脱出―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

 第1巻「エバウ・ダー脱出」。2004年12月購入。
幻竜秘録〈2〉闇の狩猟―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

幻竜秘録〈2〉闇の狩猟―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

 第2巻「闇の狩猟」。2005年1月購入。
幻竜秘録〈3〉王国の盟主―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

幻竜秘録〈3〉王国の盟主―「時の車輪」シリーズ第10部 (ハヤカワ文庫FT)

 第3巻「王国の盟主」。同2月購入。
幻竜秘録4 二つの〈塔〉の策謀 (ハヤカワFT)

幻竜秘録4 二つの〈塔〉の策謀 (ハヤカワFT)

 第4巻「二つの<塔>の策謀」。同3月購入。
幻竜秘録5 黄昏の十字路 (ハヤカワ文庫FT)

幻竜秘録5 黄昏の十字路 (ハヤカワ文庫FT)

 第5巻「黄昏の十字路」。同4月購入。

 以上3年超の放置。物語は進むにつれて登場人物は増えていく。そして主要人物がそれぞれ別行動をとり、群像劇の色合いを帯びてくる。さらわれた妻を取り戻すため行動するペリン、周囲が敵だらけの地から脱出を試みるマット、王国再興のため支持者を集めるエレイン、<白い塔>の勢力と対峙するエグウェーン、そして闇王との対決に備えるアル=ソア。時に闇王側の描写も交えつつ、各所でストーリーは進行していく。さらには竜王側の勢力には闇王のスパイが忍び込み疑心暗鬼を誘う。こういった諸々の要素が絡むため展開の進み方は非常に遅い。にもかかわらずクライマックスに向けて確実にここまでつきあってきた読者の期待を煽る。丁寧でしっかりとしたキャラクター造詣がここにきて非常に活きて来た感がある。