高田崇史『パズル自由自在』

パズル自由自在 (講談社ノベルス)

パズル自由自在 (講談社ノベルス)

 2005年3月購入。2年1ヶ月の放置。「千葉千波の事件日記」シリーズ第4弾。本シリーズのベース部分は「パズル」で作中にもストーリーとは別にパズルやクイズが必ず出題されているし、事件そのものの解決にもパズル的思考が大きく寄与している。このパズルという要素を用いて一個のストーリーのある小説にしたてるにあたって個性的なキャラクターを創造し、そのキャラクターたちに物語を展開させているわけだが、巻を重ねるにつれて個々のキャラクターがキモくなってきているような気がしてならない。それぞれの特徴付けという意味ではそれなりに個性があって問題ないのだろうが、そのセンスは難ありといったところだろうか。小説をあくまでキャラクターで読むというタイプの読者には微妙かもしれない。単純にパズル要素を楽しむのであれば問題なさそうではある。それははたして小説そのものの楽しみ方なのか、という点は措いておいて。