町田康『屈辱ポンチ』

屈辱ポンチ (文春文庫)

屈辱ポンチ (文春文庫)

 2003年5月購入。3年11ヶ月の放置。売れない脚本家の語り手が引き受けた映画の仕事。その取材で赴いた場所場所で起きる、理不尽な出来事を描いた「けものがれ、俺らの猿と」。友人の復讐劇に手を貸すことになった主人公の空回りっぷりを描いた「屈辱ポンチ」の2編を収録。いずれもテンポのよい饒舌体で語られており活字を追うのが心地よくなってくる。町田康の文体はこのくらいの長さの作品がいちばんはまれると思う。