塚本逭史『光武帝』上中下

光武帝(上) (講談社文庫)

光武帝(上) (講談社文庫)

光武帝(中) (講談社文庫)

光武帝(中) (講談社文庫)

光武帝(下) (講談社文庫)

光武帝(下) (講談社文庫)

 3冊まとめて。2006年6月購入。半年の放置。後漢創始者光武帝劉秀の生涯を描いた、おそらく日本で唯一の長編小説。あまりなじみのない時代で基礎知識があまりなかったので興味深く読めたものの、いまひとつ作品そのものにはのめりこめなかった。大会戦を経ずに天下を統一したという史実それ自体、スペクタクルに欠く側面があるのは否めない。とはいうものの魅力的な人物は多数存在しており、特に「二十八将軍」と呼ばれ後世日本で「徳川二十八神将」のモデルとなったり、あるいはフィクションの世界では田中芳樹アルスラーン戦記』の「十六翼将」の元ネタにもなった建国の功臣たちはもっと書き込んでほしかった*1。あ、でも、馮異の出番が多かったのは満足。馮異最強。

*1:北方謙三あたりに書かせたら相当面白いものになったのではないだろうか。