貫井徳郎『さよならの代わりに』
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本
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ハードカバー・初版本の帯には長谷川京子の推薦文が。どの層にターゲットを絞ったのか一目瞭然の切ない系のラブ・ストーリーとして作品は仕上がっている。小劇団を舞台とした青臭い空気、お人よしの主人公や魅力的な少女等さまざまな登場人物、そして作者本来のフィールドであるミステリ的構成――こういった要素がタイムスリップもののSFという土台の上に巧く乗っかっている。重苦しい雰囲気のミステリ作品を主に筆を執ってきた作者にとって作風の幅を広げるという意味において価値のある作品といえよう。