歌野晶午『魔王城殺人事件』

魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

 2004年9月購入。2年3ヶ月の放置。小学5年生の翔太は友人たちと少年探偵団を結成した。ある時彼らは郊外にある怪しげな噂のある「テオドロス城」なる屋敷に探検に出かけ、そこで奇妙な現象に遭遇する。小屋の中で消失した「ゾンビ女」、そして突如出現した男の死体。事件は警察の手に委ねられるが、真相が気になって仕方のない「探偵団」メンバーは密かに捜査に乗り出すのだが……

 子どもたちに向けた新本格入門(「本格」ではなく「新本格」)といった趣の作品で、特にからめ手を用いるのでなく正攻法で物語を進めていく。したがってインパクトに欠けるもののそれなりにお行儀のよい新本格ミステリとして仕上がっている印象。正直、この作者にしては物足りない感がある。