石持浅海『顔のない敵』

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

 2006年8月購入。4ヶ月の放置。対人地雷に関するエピソードを材料にした短編6編にデビュー作を加えた石持浅海初の短編集。作者特有の「特殊状況下における本格ミステリ」が本書でも展開され、そこから生じる「特殊な論理」及び「特殊な動機」、そして「特殊な(=法にたよらない)処理」もやはり健在だ。この作者の長編で顕著なアクの強さはさほどでもないので石持入門にはうってつけかもしれない。