JRA史上最多の2943勝の記録を持つ名手・
岡部幸雄が勝負に勝つための秘訣を語る。といっても特別なことが書かれているのではなく、ただひたすら努力を強調している。同期の天才・
福永洋一*1と比べ、いかにに自分が凡人であるか、そしてその凡人が
シンボリルドルフに跨り3冠制覇を達成し、押しも押されぬ一流ジョッキーとなりえたのは日々の積み重ねによって磨きこまれた勝負勘があってこそのものだ、という。日々の鍛錬が重要であることは言われるまでもないことではあるが、岡部クラスの人間が言うと重みが違ってくる。「馬優先主義」や「テイク・イット・イー
ジー」という彼にとっておなじみの言葉から伺える人柄にも好感が持てる。良書。