荻原規子『西の善き魔女Ⅵ 闇の左手』
- 作者: 荻原規子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/08/26
- メディア: 文庫
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それにしてもラストがこれではあっけなさすぎる。ユニコーンのルー坊もついに成獣にならないままだ。成獣化すなわち成長である以上その飼い主のフィリエル自身の成長とも重ねやすい演出となりえたのに、これでは単なる狂言回しにすぎない。また、フィリエルの出した結論も突きつけられたものの巨大さ・重さ・深刻さと比べるとやはり浅薄なものに感じてしまう。この手のアンバランスさは前巻までにも見受けられたもののそれでもアンバランスなりに作品内結構を保ってきたのだが、最後にその結構自体が崩れてしまった。残念。
……と思ったら外伝として書かれた残り2冊に後日譚がある模様。最終評価は見送ったほうがよさそうだ。えらそうなこと書いてすんません。