荻原規子『西の善き魔女Ⅱ 秘密の花園』

西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (中公文庫)

西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (中公文庫)

 購入日、放置期間は『〜Ⅰ』を参照。ロウランド伯爵家の庇護下に入ったフィリエルは従姉妹にして女王候補たるアデイルに力を貸すこととなる。貴族の娘としての作法を身につけなくてはならないこととなったフィリエルは修道院付属学校に編入する。そこで彼女は学園内部での派閥争いに巻き込まれことなる。さらには長馴染みのルーンまでが女装して入学することとなって……
 1巻読了後の率直な印象は「少女マンガの世界だな*1」というものだったが、この印象はさらに強まる。なにしろ今巻の舞台は学園だ。そう、まさにファンタジー版学園ものなのだ。クライマックスでは学園内での舞台劇、そしてそこでの少女同士の剣での一騎打ちが待ち受けている。この手のお話がツボにはまる少女マンガファンは結構多いのではないだろうか。
 また、ビルドゥングス・ロマンとしてきっちりとした体裁もなしており、フィリエルと、ルーンという二人の主要人物の悩みとか成長とかも遺漏なくかかれており、好印象だ。

*1:こう書いておきながら、少女マンガには疎い。偏見にとらわれている可能性も強い