宮城谷昌光『子産 上』

子産(上) (講談社文庫)

子産(上) (講談社文庫)

 上下巻とも2003年10月購入。2年以上の放置。春秋時代鄭の国は北に晋南に楚という強国にはさまれるという地理的条件から二重外交を強いられていた。子産とその父子国は苦難に立つ鄭にあっていかに生きたか、という話。上巻では主に少年子産と父子国の親子の生き様が中心に描かれている。
 国を思う気持ちは同じであれど、とるべき道を考えると親子間に違いが表れる。そこから生じる親子の対立のみならずそれとは別次元の絆、愛情を見事に描いている。