宮城谷昌光『子産 下』
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/10/15
- メディア: 文庫
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それはさておき、宮城谷が春秋戦国時代を書く作法は偉大なる先達司馬遼太郎のそれと酷似する。すなわち、その時代の各人物に焦点を当てた作品を多数書くことによって、時代の空気を浮き彫りにするというものだ。司馬は明治維新を中心にした時代をこの方法で書ききった。宮城谷も同様に春秋戦国を書ききろうとしている。この子産を始め、重耳、晏子、楽毅、士会、孟嘗君……次はいかなる人物によって時代を浮き彫りにしていくのか非常に楽しみだ。