寺山修司『家出のすすめ』

家出のすすめ (角川文庫)

家出のすすめ (角川文庫)

 はてな年間100冊読書クラブの「夏の100冊フェア企画」で分配された本。「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」の四章構成で、要するに若者に対して自立することを勧めたものだ。挑発的なタイトルと内容で、これを十代の頃に読んだらおそらくガツンとくるものを覚えたことであろう。おっさんになった現在ではニヤリとすることはあっても心を大きく揺さぶられるようなことはない。出会う時期を大いに逸してしまった感が強い。ちなみに上記の時期にあたる頃に読んだ寺山作品は『競馬への望郷 (角川文庫)』。「さらばハイセイコー」には涙した。いや、ハイセイコー世代ではないんだけど。