マイケル・ムアコック『グローリアーナ』
- 作者: マイケルムアコック,Michael Moorcock,大滝啓裕
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 文庫
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アルビオンの女王グローリアーナは多くの臣民に女神として崇拝され、世界中から賞賛されているが、彼女自身は決して心満たされることがない。そんな彼女に婚姻を求めるアラビアとポーランド。この2国でとの間に起きる軋轢が、平和に満ちた宮廷に不穏の影を落とすことに。グローリアーナが女王に戴冠して以降起きることのなかった殺人事件が発生し、彼女の側近ウーナまで行方不明に。その裏に隠された、大法官モントファルコン卿とその手下キャプテン・クワイアの軋轢……
もとネタとしてエドマンド・スペンサーの長編詩『妖精女王』や、マーヴィン・ピークの「ゴーメンガースト」3部作があるのだが、どちらも未読。それゆえ舞台背景をきっちり理解しきれなかった。特に後者は購入済みでしっかり積んである。計画性のない読書の招いた弊害といえよう。ただ、そのあたりを抜きにしてもムアコックの描き出す「アルビオン」の雰囲気は実に魅力的だし、後半のエンディングへ向けてのストーリー展開も素晴らしい。さすがムアコック。