西尾維新『不気味で素朴な囲われた世界』

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

 2007年10月購入。2年11ヶ月の放置。作中に登場するキャラクターたちの行動はひどく極端である。日常を脱し非日常を得るために知り合いの女性に告白する。邪魔な存在というだけで対象を殺す。友人の身内だから付き合うが、その友人がいなければ他人と認識する。好きな人を殺した犯人だから殺す……といった具合に。こういったキャラクターの行動(原理)には、単に個性付けということ以上の意図が感じられないでもない。
 なお、本書は犯人探しのミステリである。そして本書には「口にする言葉がすべて嘘」というキャラと「他人の嘘を見破ることができる」キャラが登場する。しかし彼女ら二人を絡めた論理パズルを形成するのかと思ったらそんなことありませんでした。