皆川博子『倒立する塔の殺人』

倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)

倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)

 2007年11月購入。1年8ヶ月の放置。戦時中のミッションスクールで小説の回し書きが流行した。この回し書きのメンバーであった少女の一人は死んでしまうのだが、事故死とも殺害されたのとも取れるという状況であった。また、回し書き小説内で語られる出来事自体も不可思議なもので、かつ誰がこの趣向の発案者なのか、なぜこのようなことを始めたのか――以上の要素が絡み合い、読み進むにつれ幻想味が濃厚になっていく。作者の生み出したこの雰囲気を味わうように読むのが吉であろう。