篠田真由美『闇の聖杯、光の剣 北斗学園七不思議2』

 2008年4月購入。1年の放置。北斗学園にまつわる七不思議を探る三人の少年の周囲で起きる不穏な事件を描いたシリーズ第二弾。少女のあいだで秘かに伝えられたおまじないの儀式、そしてそれに関わる少女たちの失踪。三人の少年を操ろうとする大人たちの思惑。赤毛の魔女。一連の騒動の背後にある、ナチスドイツ時代の出来事……これらの要素が絡み合い、作品全体に不気味な雰囲気ををかもしだしており、なかなかの読み応え。しかし、主役である三人の少年が終始事件中心から疎外されており、事情が何もわからないままひたすら振り回され、そしてあくまで部外者として振り回されたまま、事件になんら寄与することもなく物語は収束してしまう。少年視点の物語としては物足りないといわざるを得ない。