山田正紀『オフェーリアの物語』

オフェーリアの物語 (ミステリーYA!)

オフェーリアの物語 (ミステリーYA!)

 2008年5月購入。10ヶ月の放置。一人ぼっちの少女・リアには父も母もおらず、ビスクドールのオフェーリアが唯一の友達だ。そんなリアが元人形使である影華に拾われ、人形遣としてさまざまな冒険を繰り広げる物語。人形遣とは魂を宿した人形の存在を見抜き、その人形と心を通わせることの出来る者のことで、リアはそれのみならず、人形の魂を払うことさえ可能だ。
 独特の世界を構築し、その上で繰り広げられる幽明なる物語が最大の魅力であるが、独自の用語を多用したり尻切れなエピローグなど、その世界観を十全に語りきれてないのが難点。続編が出るのでそれに期待したいところ。