永井するみ『レッド・マスカラの秋』

 2008年12月購入。2ヶ月の放置。前作『カカオ80%の夏』で知り合ったモデル・ミリがファッションショーに出演するということで会場を訪れた三浦凪。久々に会った友人はどことなく元気がない。話を聞くと、ミリが薦めたマスカラを使ったせいで、まぶたがただれてしまったモデル仲間がいるらしい。しかも、ライバルを蹴落とすためにミリがマスカラに細工したのでは、などという不穏な噂まで流れている。噂の真相を探るべく凪は調査を始める……
 前作同様、友人を助けるために行動する凪の様子がハードボイルドタッチで描かている。女子高生視点の物語でありながら変に子供っぽかったりせずクールな筆致で語られており、その読み心地は抜群。二作目の本書では一作目よりも恋愛要素が取り込まれているのだが、こちらも甘ったるくはなく、本筋同様の語り口が用いられており落ち着いた雰囲気をかもし出している。