田中哲弥『大久保町は燃えているか』

大久保町は燃えているか (ハヤカワ文庫JA)

大久保町は燃えているか (ハヤカワ文庫JA)

 2007年6月購入。1年4ヶ月の放置。アルバイト先へ向かうはずが、道を間違え迷い込んだ地、兵庫県明石町はナチスの占領下にあった。ただの高校生の幸平はそこで味方の工作員と間違われ、レジスタンスの一員として迎えられ、ナチスとの闘争に巻き込まれる羽目になった。
 ということで、舞台成立の背景など完璧に無視し、「だって大久保町だもん!」という問答無用の豪腕ぶりで存在する世界のもとで繰り広げられるアクション・コメディーシリーズの第二弾。同様の理屈で大久保町を西部劇の世界として描いた前作に比べると慣れた分だけインパクトに劣るものの、トンデモな世界で繰り広げられるストーリ展開は愉快。この作者ならではの少年少女のあっけらかんとしたノリのラブ・ロマンスも健在だ。