浅田次郎『カッシーノ２！』

カッシーノ〈2!〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

　２００７年１１月購入。９ヶ月の放置。世界のカジノを巡る紀行エッセイ第２弾。前作が欧米の有名どころを取り上げていたのに対し、本書ではアフリカという、カジノのイメージが薄い地を舞台としている。藤代三郎＝北上次郎による週刊「ＧＡＬＬＯＰ」での人気エッセイ「馬券の真実」を例に挙げるまでもなく、基本的にこの手のギャンブルを扱った読み物では勝ったことによる自慢よりも、負けたことによる惨めな体験のほうが読み手を楽しませることが出来る。本書もそれに倣い、勝利よりも敗北を描くことに多くの筆を費やしている。加えて旅路での思わぬハプニングで泡を食ったりする様子も描かれており、かなり楽しく読める１冊。