栗本薫『グイン・サーガ121 サイロンの光と影』

サイロンの光と影―グイン・サーガ〈121〉 (ハヤカワ文庫JA)

サイロンの光と影―グイン・サーガ〈121〉 (ハヤカワ文庫JA)

 2008年6月購入。1ヶ月の放置。ようやくグインもケイロニアに帰還して一段落。国同士の活発な交流もひとまず落ち着き、逆に各国とも内憂を抱え込んでいるため、今後しばらくはグインのみならず物語の主要な登場人物の活動は自国に据えていくものになるであろう。本書ではグインと彼が王位についているケイロニアでの問題が取り上げられている。これまでの流れに比べるとスケールは小さいものの、グインやケイロニアという国にとっては決して看過しえぬものだ。読んでいてイライラする類の問題で、どうにも乗り切れない。物語の展開上、避けては通れぬ道だがせめてテンポよく進めてほしいものだ。