横森理香『渋谷ビター・エンジェルズ』
- 作者: 横森理香
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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天使のビジュアルたるや、ギャル男だったりオバサンだったりオカマだったりと、天使とは程遠いものだ。奇をてらった演出なのだろうが、基本軸として渋谷に集う若者というのがあり、その上でギャップを出してやろうという意図が見え見えで、その外し方が陳腐だ。そもそも描かれる若者、特に少女の造形がベタ過ぎて作品全体から安っぽい空気が漂ってきて、読んでいてしばしば失笑を浮かべてしまった。もっとも、作者は渋谷在住で、そこに集まる若者の生態は熟知しているはずで、ベタベタなステレオタイプの若者像は案外リアルなものなのかもしれない。八万円で女子高生と出会ったりするようなトリコでリーダー的な行いをしたことをない私にはわかりかねます。