司馬遼太郎『司馬遼太郎対話選集10 民族と国家を超えるもの』

 2006年12月購入。1年半の放置。松原正毅と稲作の伝播ルートについて、岡本太郎と稲作文明を、梅棹忠夫ソ連について、中村喜和とはロシアについて、佐原真と日本人の源流を、井筒俊彦イスラム文化について、そしてロナルド・トビとは鎖国時代の日朝関係について語る。本書のタイトルにあるように、日本の民族・国家についてという大枠をもとに展開される対談が多い。なお、本シリーズ各巻末に関川夏央による対談者たちのプロフィールおよび司馬との関係が添えられているのだが、短くも要所を押さえた解説となっており、対談者すべてを存じているわけではない読み手にとっては非常にありがたい。