伊坂幸太郎『終末のフール』
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 91回
- この商品を含むブログ (517件) を見る
本書そのものの内容で特徴的なのは、人類の滅亡が確定的となったことにより自暴自棄になる、という段階を通り過ぎてある種諦念のようなものにとらわれた人々がそれでも滅亡のその時まで生きていく姿を描いていることであろう。なぜ生きるのか、あるいはなぜ殺すのか、なぜこの期に及んで子どもを産むのか、なぜこれまでどおり普通に生きていくのか……さまざまな生の断章が語られていく。個人的に一番よかったのは「鋼鉄のウール」のキックボクサーの生き様だ。