栗本薫『グイン・サーガ119 ランドックの刻印』

 グインとリンダの再会で物語が大きく動くかと期待したものの、肩透かしの印象がある。それなりに次への道標は見えているのだが、その道標はあくまで目先の目標に過ぎず、最終到達点へと続いているかというと疑問で、まだ物語は続くのだという安心感はあるのと同時にまた先延ばしかというがっくりする気持ちも浮かんでくる。特に今巻は物語にとって都合のよすぎる展開が待ち受けており、散々引き伸ばした挙句の安易にすら思えるその展開は非常に残念だ。