塩野七生『ローマ人の物語6 勝者の混迷 上』『ローマ人の物語7 勝者の混迷 下』

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) (新潮文庫)

 2冊まとめて。2002年9月購入。5年4ヶ月の放置。前巻がローマにおける外からの脅威=カルタゴとの戦いを集中的に描いていたのに対し、本書ではその後の時代=内乱及び改革に焦点が当てられている。それゆえスペクタクルという点では全巻に及ぶべくもないが、大乱の後の処理を如何にするか、あるいは内なる危機をどう乗り切るかというテーマは十分に書き込まれている。かつ、さらに後の時代=カエサルの時代の迫りつつ影も感じられ、ある種の切迫感に溢れている。シリーズの流れにおいて重要な位置づけではないだろうか。