シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)

 2007年11月購入。1ヶ月の放置。出発と回帰という人生における不可避ともいえるイベントをモチーフとした佳作「帰り道」、ヘタレな自分に対するコンプレックスを取り除く自伝的小説「午砲」、他人が必要としているものがわかる男を描くという奇想の趣が強い話「必要」、記憶喪失の男が迷い込んだ奇妙な世界「解除反応」、異星人探索と父子の触れ合いとスイーツ(笑)女の話「火星人と脳なし」、そして集中最長の長さを誇る、人間万事塞翁が馬を地でいく奇想SF「[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ」。「奇想コレクション」のスタージョンもこれで3作目ということもあって、前2作と比べ間口が狭く、読者を選ぶような印象を受けた。その印象ゆえか、前2作ほどのめり込めなかった。とはいえ一定以上のクオリティは保証されており、それなりに楽しめたのも事実。