茅田砂胡『デルフィニア戦記 第Ⅳ部 伝説の終焉』1〜6
6冊まとめて。
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すべて2年以上の放置。本書の見せ場は二つあり、デルフィニアが外敵を打ち払い勝利する過程と、異世界からやってきた勝利をもたらす王女・リィとデルフィニア国王ウォルとの別れの場面だ。個人の能力に依存し過ぎた戦争場面が多いため、国同士の興亡を描く物語というよりも個人の英雄譚の趣が強い。したがってデルフィニアの武将たちの個性は際立ち、見せ場も多いが一方で国対国というスケールでのやり取りは大味である。逆に、個人レベルでの見せ場であるはずの別れのシーンはさばさばしている。シリーズを通して見ると一つ一つの場面は引き込まれるのだが、その場面を全体にはめ込んでみると微妙な違和感がありしっくりこないことが多々ある作品であるような気がする。あくまで個人個人キャラクターに絞って注目するような見方をするのが妥当であろうか。