浅田次郎『カッシーノ！』

カッシーノ! (幻冬舎アウトロー文庫)

　２００７年８月購入。１ヶ月の放置。世界中のカジノで遊んでこよう、というコンセプトのもとにモナコ→ニース→カンヌ→サンレモ→バーデン→ゼーフェルト→ロンドン→ノルマンディ→ヴィースバーデン→バーデンバーデンと旅をする。本書は紀行エッセイなのだが、目的はカジノであるだけに作者が書き綴るのはたいていカジノがらみの話となっている。しかし、勝った負けたという鉄火場的なニュアンスの話は極力抑えられているため、バクチ話につきまとう特有の下品さ、生臭さとは無縁である。一風変わった欧州紀行文という意味で、非常に楽しく読めた。