鯨統一郎『タイムスリップ水戸黄門』

タイムスリップ水戸黄門 (講談社ノベルス)

タイムスリップ水戸黄門 (講談社ノベルス)

 2006年11月購入。10ヶ月の放置。いわゆるテレビドラマの水戸黄門徳川光圀像は歴史上の彼とはまったく異なる。しかし、一般に水戸黄門といわれてイメージするのはそのフィクションの人物のほうである。本書は現代にタイムスリップしてきた徳川光圀がテレビの黄門様よろしく弱きをたすけ悪を懲らしめるというストーリーで、歴史上の人物を逆にフィクションの登場人物像に近づけてしまおうというお話といえる。本編の出来とはまったく関係ないが、それにしても、一体どこのターゲット層を狙ったのか定かでない表紙イラストのセンスのなさ、いかがであろう。